ワクチンの起源はいつ? 撲滅されたウイルスはあるのか
【Q】ペストもワクチンで終息した?
【A】「これはワクチンとは関係ありません。ネズミやシラミの撲滅によって感染源を絶ったことに起因しています。また抗生物質が登場し、感染した患者を山奥に収容したり、船の発着場の検疫で隔離を徹底するなどの対策で、ほぼ終息に向かったと考えられています。病原体が変異を繰り返すマラリアも、よいワクチンは開発されていませんが、媒介するハマダラカの撲滅によってヒト感染の割合は減ってきています。感染症の撲滅は環境の変化も関係しています」
新型コロナウイルスについては、WHOは〈コウモリから別の動物を介してヒトへと感染した〉と、結論付けている。
【Q】mRNAワクチンの開発は今後はやる感染症にも有効か
【A】「mRNAワクチンができたことで、これまで難しいとされてきた微生物の撲滅に大きな期待が持たれています。従来はウイルスを細胞内で大量培養したワクチンなどを打つことで免疫を獲得しましたが、今回は遺伝子情報を用いたmRNAワクチンのため、さまざまなリスクを減らせると考えられています。今後、インフルエンザワクチンなど多くのワクチンでも新たなアプローチが進むと考えられます」