著者のコラム一覧
小林秀行東邦大学医学部泌尿器科学講座准教授

1975年、東京都生まれ。2000年東邦大学医学部を卒業。卒後研修終了後に東北大学大学院医学系研究科病理病態学講座免疫学分野に進学。医学博士を取得。ペンシルバニア大学獣医学部にてリサーチアソシエイト。その後、東邦大学医学部泌尿器科学講座に復帰。2014年より現職。日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本生殖医学会生殖医療専門医。専門は男性不妊症。noteにてブログ「Blue-男性不妊症について」を配信中。

肌つやつや、ひげもあまり生えない男子高校生に問題はある?

公開日: 更新日:

 ゴナドトロピンとは、性腺刺激ホルモンといって、脳の下垂体から分泌されるFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体ホルモン)のことを指します。男性の場合、FSHは精子形成に関与し、LHは精巣からのテストステロンの分泌に関与します。精巣の大きな役割は、精子形成とテストステロンの分泌に大別されるのです。

 それでは、ゴナドトロピンが思春期の時期にまったく分泌されないとどうなるでしょうか? 声変わりせず、ひげや陰毛も生えません。そして、精子形成も起きません。身長に関しては成長ホルモンが関係するので、低かったり高かったりさまざまです。

 26歳のAさんは、夫婦で不妊検査を受けて「無精子症疑い」と診断され、私のところに紹介されてきました。Aさんは声変わりはしておらず、ひげも生えていません。身長は高く、細身の体型ですが、やや脂肪が多い印象でした。陰部の診察では、陰毛はまったく生えておらず、陰茎は小さく親指ほどの大きさです。精巣は小指の先くらいの大きさで非常に小さいといえました。

 診察所見から、第二次性徴がまったく見られていないと判断しました。採血を行なうと、FSHとLHが正常値に比べて非常に低値でした。精液検査では、精液の量が少なく無精子症でした。以上の結果より、低ゴナドトロピン性男子性腺機能低下症を疑いました。そして、低ゴナドトロピン性男子性腺機能低下症を診断する特殊検査を施行し、診断が確定しました。

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