男性患者の診察、診断は具体的にどのように行われるのか
男性不妊症の外来では、陰部の診察を必須にしています。
「Aさん、ズボンと下着を脱いで横のベッドに寝てください」
まずは、陰毛の発育状態、陰茎の大きさ、陰嚢の状態を観察します。次に陰部の触診に移ります。陰嚢の付け根の精索を触り、精管を確認するのです。そして、陰嚢内に精巣が左右に2個あるのを確かめ、さらに触ってしこりがないかどうか、大きさも確認します。
「では、ベッドから起き上がって床に立ってください。そして鼻をつまんで、お腹に力を入れてください」
その際、陰嚢の付け根の精索の部分を触ります。これが精索静脈瘤の触診による診断方法です。まずは右側から、次に左側を行ないます。
■ブニョブニョを感じたら精索静脈瘤を疑う
「ん? 左側にブニョブニョした感じのものを触れますね。今までご自身で気付かれたことはありますか?」
多くの場合、初めて指摘されることです。この腹圧をかけたときにブニョブニョ触れるのが精索静脈瘤です。