著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

ジャンクフードが食べたくなるのは脳機能が低下しているから

公開日: 更新日:

 疲れたときに甘いものを食べたくなるように、無性にジャンクフードが食べたくなる……。そんな瞬間がないでしょうか? かくいう私もお菓子が大好きで、ついつい仕事の合間に手を出してしまいます。

 多くの人が、「自分は疲れているからジャンクフードを食べたくなっているんだろう。だから食べてしまうのは仕方がない」と考えていると思うのですが、「(脳の左背外側にある)前頭前皮質の機能を一時的に低下させると、カロリーが高い食べ物を欲するようになるだけでなく、実食においてもジャンクフードを食べる傾向が高くなる」とは、カナダのウォータールー大学の研究(2018年)です。

 前頭前野を含む前頭葉は、注意力、集中力、判断力などと関係し、感情や欲求を抑制する脳の大切な部位です。そのため前頭葉の機能が低下すると、普段は「悪いからやめよう、我慢しよう」と思っていることについての判断が鈍くなり、我慢ができなくなってしまうのです。

 また、背外側前頭前皮質の機能低下は、ストレスが原因で引き起こされます。つまり、ストレスが蓄積して、脳の背外側前頭前皮質の機能低下が生じると、それに応じて判断が鈍ってしまうというわけです。

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