著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

女性ホルモンが多い男性は血栓症のリスクが低い 専門誌が報告

公開日: 更新日:

 男性は精巣から男性ホルモンが分泌され、女性は卵巣から女性ホルモンが分泌されます。しかし、男性でも産生された男性ホルモンの一部は、女性ホルモンに変換されているので、男性も常に少量の女性ホルモンを分泌しています。

 男性では加齢により男性ホルモンが低下し、それが筋肉量の低下やうつ病などの原因になっている、という考え方があります。確かに男性ホルモンは年齢とともに低下しますが、一部の変換された女性ホルモンがそれを補う働きを持っている、という考え方があります。実は閉経後の女性よりも多くの女性ホルモンを、男性は高齢になっても作っているのです。

 それでは、男性にとって女性ホルモンが多いことは、健康面でどのような影響を持っているのでしょうか?

 今年の内分泌(ホルモン)学の専門誌に、それについての研究結果が報告されています。遺伝子の変異からホルモンの出方を解析したところ、男性では女性ホルモンが多いほど、血液に血の塊ができる、血栓症のリスクが少なく、脳卒中のような病気も起こりにくくなっていたのです。

 血液中の男性ホルモンが低いと男性更年期だ、というような説明がよくされますが、実は女性ホルモンと男性ホルモンとのバランスこそが、より重要であるのかも知れません。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に