親の傾聴と共感が「8050問題」の解決につながる 専門家が指摘

公開日: 更新日:

 傾聴とは、相手の話にただひたすら耳を傾け、心で聴くこと。さえぎり・反論・評価をせず、最後まで言い切らせることだ。特に「家族の傾聴」は家族療法の中心的スキルであり、統合失調症やそううつ病の再発予防に高い医学的効果も実証されている。

「大人なのですから、まず本人自身に働きかけるのが本筋。けれど、現状100万人超といわれる我が国の引きこもりの半数以上が、社会とのつながりを持つ気すらないと答えている。こういった“本人拒否の壁”の場合の最終手段が“親だけ”に働きかけるアプローチで、それだけでも高い効果が期待されるのです」

 最上氏が重きを置くのは、親が子どもに対する「傾聴」と「共感」だ。前述の通り、親はただひたすら子どもの心に寄り添い、子どもの話に耳を傾け続ける。反論したくなることを子どもが言っても、黙って聴き、背後にある本音の気持ちを理解しようと努める。

 しかし、これはそう簡単ではない。長年こじれていたケースほど、子どもが親の変化に気付いても、すぐには信用しない。


「しかし何週間、何カ月間と粘り強く聴く姿勢を貫いていると、ある段階から子どもは安心し、本音の感情を徐々に出してきます。その積み重ねで『親に心から自分を受け入れてもらえた』と子どもが感じた時、問題行動は解決に向かっていく」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  2. 2

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  3. 3

    佐々木朗希“大幅減速”球速160キロに届かない謎解き…米スカウトはある「変化」を指摘

  4. 4

    ヤクルト村上宗隆 復帰初戦で故障再発は“人災”か…「あれ」が誘発させた可能性

  5. 5

    清原果耶ついにスランプ脱出なるか? 坂口健太郎と“TBS火10”で再タッグ、「おかえりモネ」以来の共演に期待

  1. 6

    松嶋菜々子の“黒歴史”が石橋貴明セクハラ発覚で発掘される不憫…「完全にもらい事故」の二次被害

  2. 7

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  3. 8

    「皐月賞」あなたはもう当たっている! みんな大好き“サイン馬券”をマジメに大考察

  4. 9

    ヤクルト村上宗隆「メジャー430億円契約報道」の笑止…せいぜい「5分の1程度」と専門家

  5. 10

    常勝PL学園を築いた中村監督の野球理論は衝撃的だった…グラブのはめ方まで徹底して甲子園勝率.853