「5W1H」を徹底した報告が患者と家族のQOLを向上させる
最近、院内で改めて取り組んでいるのは、正しい言葉で人に伝えるということです。日本人なら日本語が話せて当たり前と考えるかもしれません。
しかし実はきちんと日本語を話すことができる人と、できない人との間では開きがあるものなのです。経営者や管理職の方などは経験があるかと思いますが、日頃からスタッフに対して、「相手に伝わる日本語」を話すことを求めています。
たとえばあやふやな報告をしてきたら、それを修正し、誰が誰になにをして、いつどうなるかを整理してもらう。主語を省かず、述語もしっかりと伝える。だから「てにをは」をきちんと使うことを意識しています。
これを徹底するだけでもスタッフ同士の間はもちろん、患者さんやご家族との間の情報共有もスムーズになり、また誤解が生じなくなりました。結果、患者さんやご家族のQOLが確実に向上するのです。
近い将来、在宅医療はもっと拡大するでしょう。すると、高齢者の終末医療にかかわらず、あらゆる領域の医療が在宅で、容易に行えるようになる。そしてそんな地域を実現していきたい。そのためのパートナーになりたいと考えています。
地域とつながる。患者さんやご家族ともつながる。スタッフ同士もつながる。コロナで社会の連携が寸断され脅かされたことで、いっそうその大切さを噛み締めています。良質な在宅医療の確立のためにも、今後「つながり」がますます必要になっていくものと思い知らされたのでした。