歯周病を悪化させる「歯石」は徹底的に取り除いたほうがいい
「歯の表面は、歯茎の上に露出した部分はエナメル質、歯茎で隠れている部分はセメント質という組織でできています。歯根部の表面は硬いエナメル質ではなくセメント質なので、SRPで歯石を削り取るときは、セメント質を削りすぎないよう注意する必要があります。歯周ポケットの奥深くに歯石がある場合、器具が届きにくいうえに目視で確認することもできません。ですから、治療者には技術が求められますし、処置にはどうしても限界があります」
SRPでは歯石除去が難しい場合、歯茎を切開して目視しながら歯石を取り除く②フラップ手術が検討される。一般的な歯のクリーニング=メンテナンスでは、初回は目視による歯周病の評価とレントゲン検査を行い、SRPで歯石の除去を実施する。後日、歯周病の再評価を行い、改善の傾向があれば再びSRPを実施して経過を観察し、改善が見られない場合はフラップ手術を勧めるケースが多いという。
「歯周ポケットの深さが6ミリ以上あって、奥に歯石が付いていれば、歯周病は進行していると考えられます。仮に歯石がなくてもバイオフィルムは付着しています。歯周ポケット奥の歯石はレントゲン検査で発見できないものも多く、そのまま放置していれば歯周病はどんどん悪化します。ですから、目視でしっかり確認できる手術を検討すべきと考えます」