歯(下)虫歯が多い人に共通する「3つの悪食習慣」 3万人を治療した歯科医が教える
虫歯は、口の中にいる細菌(ミュータンス菌)が食べカスをエサにして酸をつくり出し、歯を溶かして発症する。しかし、もうひとつ別の発症の仕方がある。歯を外から見た限りでは健康そのものだが、レントゲン写真を撮ってみると、内部が溶けて、場合によっては神経に達しているような症例だ。
その発症メカニズムを解明した米国ロマ・リンダ大学のラルフ・スタインマン博士は、歯を内部から溶かす虫歯の原因として、「象牙質の液体移送システム(DFT)」が大きく関係していると述べている。DFTを簡単に説明すると、脳からの指令によって体内に流れている物質が歯の歯髄(神経)を通り、やがて歯の外に流れ出る現象のこと。さらにDFTは「逆流」もする。つまり、口内に存在する無数の細菌が歯の表面を溶かすことなく侵入し、歯の内部で虫歯をつくるのだ。
そのDFTが逆流する原因のひとつに、「血糖値スパイク(血糖値の急激な変動)」がある。では、どんな食生活をしていると起こりやすいのか。「100年歯がなくならない生き方」(三笠書房)の著者で、小峰歯科医院(埼玉県比企郡)の小峰一雄院長が言う。