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西本真司西本クリニック院長

医師になって34年。手術室麻酔、日赤での緊急麻酔、集中治療室、疼痛外来経験後、1996年6月から麻酔科、内科のクリニックの院長に。これまでに約5万8000回のブロックを安全に施術。自身も潰瘍性大腸炎の激痛を治療で和らげた経験があり、痛み治療の重要性を実感している。

ペインクリニックは痛み緩和に加え生活の質を上げる治療を行う

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 痛みの中には「記憶による痛み」というものがあるのですが、実はこれが意外と多く、私は痛みに悩まされている患者さんの約9割は記憶による痛みが原因だとみています。硬膜外ブロックは「痛みの記憶」の書き換えができるのです。

 Sさんは、1カ月に1回程度の硬膜外ブロックを7回ほど行った後、痛みに悩まされることがなくなり、今では元気にお仕事に復帰されています。

 このように、ペインクリニックは、痛みをとるという処置だけのようですが、実は患者さんのQOL(生活の質)を上げる治療なのです。ただ、局所麻酔とはいえ、鎮痛剤を使用するため、専門医の熟練した技術が必要です。

【連載】痛みのない暮らしを取り戻す

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