西本真司
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西本真司西本クリニック院長

医師になって34年。手術室麻酔、日赤での緊急麻酔、集中治療室、疼痛外来経験後、1996年6月から麻酔科、内科のクリニックの院長に。これまでに約5万8000回のブロックを安全に施術。自身も潰瘍性大腸炎の激痛を治療で和らげた経験があり、痛み治療の重要性を実感している。

星状神経節ブロックは痛み改善に加え免疫コントロールも適切にする

公開日: 更新日:

 痛みを緩和する上で非常に有効な治療法に、「星状神経節ブロック」があります。当院の多くの患者さんも取り入れている、保険が適用される治療法です。

 頚部にある星状の交感神経節に麻酔薬を注入します。星状神経節をブロックすると、交感神経の働きのひとつである血管収縮作用が抑えられ、脳の視床下部の血流が一気によくなります。

 視床下部は私たちの自律神経、内分泌、免疫のコントロールをつかさどる部位ですから、これらが整うと痛みの改善だけでなく、免疫のコントロールも適切にできるようになります。

 星状神経節の支配領域は、左右の乳頭を結んだラインから上なので、脳だけでなく、心臓、肺、首から頭、顔面まですべての血流がよくなります。具体的には、血管の内径が2倍に、血流量は8倍に増えるとされています。

 星状神経節ブロックを取り入れて潰瘍性大腸炎の患者さんが改善しているという事実から、自律神経のバランスを整えれば、自己免疫疾患は決して治らない病気ではないと考えています。星状神経節ブロックは痛みだけでなく、生体が持つ機能を正常化することに寄与するものだと感じています。

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