性感染症編(6)増え続ける60歳以上の性感染症 原因は?
一方で免疫機能は60歳以上は20代の半分以下とも言われている。またコンドームメーカー「ジェクス」が2020年に行ったネット調査によると、セックス前にコンドームを用意する60代男性は33%で20代男性の67.4%の半分以下だった。
では、実際に60歳以上の性感染症はどのくらい増えているのか。厚労省の「年齢(5歳階級)別にみた性感染症(STD)報告数の年次推移」で、60歳以上の患者数を平成12(2000)年と令和2(2020)年とで比較した。
①「梅毒」(224人→456人)②「性器クラミジア」(246人→324人)③「性器ヘルペス」(885人→1149人)④「淋菌」(120人→161人)⑤「尖圭コンジローマ」(94人→327人)と確実に増えている。
ただし、この数字は国から指定された定点と呼ばれる医療機関からの患者報告数であり、すべてではない。定点が増えれば当然患者数は増える。定点数は平成12年は897、令和2年は981だったので、それぞれ1医療機関当たりの患者数で比較すると、①0.249人→0.465人②0.274人→0.330人③0.986人→1.171人④0.133人→0.164人⑤0.104人→0.333人と、やはり増えている。