高齢者や終末期患者の抗がん剤の飲み方を考える 在宅医療の名医が解説

公開日: 更新日:

 実際、抗がん剤をやめることで食欲が回復して体力がつき、寿命を延ばしたがん患者を山中院長は数多く見てきたという。とはいえ、抗がん剤や難病の薬のおかげで命を永らえていると考える患者にとって、それを中断することは命を失うことと等しい。そのタイミングはどう計ればいいのか?

食事の量が減って大幅な体重減を経験したとき、吐き気や下痢の継続などが続くときが中断のタイミングです。薬は確かに患部にはよく効きます。がんを小さくしたり、間質性肺炎を改善させたりします。ただし、患部以外への悪影響も強い。特に消化器への影響が強く出て、人が生きていくための最低限の体の機能すら保てない状態に陥ってしまうこともあるのです」

 注意したいのは病院の医師が必ずしもその「薬をやめるべきタイミング」を正確に見極められるわけではないことだ。医師は患者の痛みや苦しさ、日々の生活での不自由さをすべて理解できないからだ。

「多くの患者を抱える医師は、体重減少や食事量、全身状態を十分確認せずに、腫瘍の大きさの変化や血液データだけを見て薬を安易に継続してしまうこともまれではありません。だからこそ、患者さんが薬の副作用から身を守るためには、薬による体の変化を自分でしっかりと確認し、その状態を素直に主治医に伝えることが大切なのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」