「梅毒」が昨年の30%増ペース…患者急増で懸念される性感染症の医療崩壊

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 これを受けて東京都では8月4日、小池百合子都知事が定例会見で梅毒患者数の急増に触れ、早期発見の検査体制強化に乗り出すと表明した。

 日本一の歓楽街「歌舞伎町」にある、新宿東口の検査相談室では女性を対象に検査結果が当日にわかる「即日検査」を9月23日から12月を除く毎月1回、祝日に行うという。対象を女性としているのは梅毒が若い女性に広がっており、妊婦の感染は流産や死産の原因となり、生まれてくる赤ちゃんが先天性梅毒になる場合があるからだ。また、立川にある多摩地域検査・相談室では8月13日から土曜日だけでなく日曜日も検査できるようになるという。

 東京以外でも県や市区町村のホームページ等で梅毒患者報告数が増えていることや早期発見の啓蒙、検査体制の強化が進んでいる。

■性感染症認定士は全国で47人

「しかし、一番の問題は豊富な診断治療経験と専門的知識を持った医師が必ずしも多くないこと」と尾上医師は言う。


 7月10日に更新された性感染症学会のホームページに掲載された性感染症認定医は479人。多くは大都市のある都道府県に偏在し、和歌山・高知・宮崎・鹿児島(1人)、岩手・鳥取・島根・山口(2人)、青森・福井・新潟(3人)、広島・佐賀・長崎(4人)と5人未満のエリアが多い。山梨に至っては0人となっている。

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