「梅毒」が昨年の30%増ペース…患者急増で懸念される性感染症の医療崩壊

公開日: 更新日:

「患者数が多い東京は89人いますが、今年都内で報告された梅毒の新規感染者2052件をすべて都内の性感染症認定医で治療したとすれば、現時点で23件もの新たな患者を引き受けていることになります。ところがその一方で性感染症がわかるベテラン医師は高齢化しており、現場から離れる人も増えています。にもかかわらず梅毒だけでなく他の性感染症も増えている。性感染症において受診したくてもできない、医療崩壊が起こらないか、心配しています」

 実際、都内の歓楽街で性感染症と長年向き合ってきたベテランの医師は、今年の秋に閉院して引退することを公表している。この医院はそのエリアでの性感染症治療の中心的な存在で、通院している患者も多い。そのなかの1人は「性感染症の診断治療が豊富で私の仕事のこともわかってくれてとても良い先生だった。先生は引退にあたって新しい通院先も紹介してくれたが、今までと同じペースで受診できるかはわからない」と言う。

 また、日本性感染症学会が薬剤師、保健師、助産師、看護師、臨床検査技師、学校養護教諭などを対象に、性感染症の専門的知見の習得を積んだ会員に付与する性感染症認定士は、2023年8月3日現在、全国で47人しかいない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」