下山祐人
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下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

入浴は危険だったが…やりたいことを最後までできて良かった

公開日: 更新日:

 重症筋無力症と心不全を患い、白内障や前立腺肥大症も併発されている87歳の男性。原付で近隣をめぐることが趣味で、通院もできていましたが、外出中の転倒をきっかけに体調を崩し、当院が3年前から訪問診療をしています。

 重症筋無力症とは、自己免疫疾患のひとつ。全身の筋力が低下し、通常よりも疲れやすい体質(易疲労性)となり、物が二重に見える複視や眼瞼下垂など、目に関する症状を起こしやすいことが特徴です。

 男性は、料理をしたり、1人でトイレや入浴ができたりと、ADL(日常生活動作)は高め。酸素吸入を受けることを拒んだり、緑内障の手術は必要ないと判断したり、ご自身の生き方を大切にされる方でした。

「お元気でお変わりないですか?」(私)

「調子悪いよ」(患者)

「痛いところつらいところはありますか?」(私)

「あちこち痛くて。めちゃくちゃにひどいよ! 水虫も20年も治らない。もう長くはないよ」(患者)

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