糖尿病の高齢者は「肉」を食べても大丈夫? 赤身肉はリスクというけれど…

公開日: 更新日:

 高齢者は自然と筋肉量が減るから意識して肉を食べるべし──。近年こうした医療情報が新たな医療常識として流れている。ところがその一方で、豚や牛などの赤身の肉は糖尿病の発症リスクを上げるとの情報もある。どうしたらいいのか? 糖尿病専門医で「しんクリニック」(東京・蒲田)院長の辛浩基医師に聞いた。

 ◇  ◇  ◇

 牛、豚、羊といった赤身肉を週に2回以上食べると2型糖尿病の発症リスクが高まる。そんな研究結果が米国のハーバード大学大学院などの研究チームによって発表された。21万6695人の健康状態を最長36年間追跡したデータを分析。その結果、もっとも多く赤身肉を摂取する人(1日1.56~1.97食)は、最も少ない人(1日0.26~0.45食)と比べると、2型糖尿病の発症リスクが62%高かったという。しかも、2型糖尿病の発症リスクは加工済み赤身肉では51%、未加工の赤身肉では40%上昇し、糖尿病の診断を受ける10~15年前の食習慣が発症との関連が深かった。

「実は赤身の肉の過剰摂取と2型糖尿病の発症リスクについては2013年にも報告されています。欧米の著名な糖尿病専門誌に掲載された研究で、欧州8カ国の成人34万人余りを11.7カ年追跡調査した中で、2型糖尿病を発症した1万2403人を分析。未加工と加工の赤身肉を50グラム取るごとに2型糖尿病の発症リスクがそれぞれ18%、20%増加したと報告しています」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動