糖尿病患者の3割が罹患する「慢性便秘」は命にかかわる病気…死亡リスク20%増との報告も

公開日: 更新日:

 たかが便秘、大したことない──。そう思っている人は考え方を改めた方がいい。国内外の調査研究で、便秘は寿命に関係することが明らかになり、治療が必要な病気と認識されるようになったからだ。しかも便秘になりやすい病気があり、糖尿病もそのひとつ。糖尿病専門医で「しんクリニック」(東京・蒲田)の辛浩基院長に話を聞いた。

 ◇  ◇  ◇

 便秘とは「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」を言い、便秘症とは「便秘による症状が現れ、検査や治療を必要とする状態」を言う。

「便秘が怖いのは、それが命にかかわる病気を引き起こしかねないからです。2010年に発表された20歳以上の米国人3993人を対象に15年間追跡した研究で、便秘症ありの人は、なしの人より亡くなる人が20%以上多かった。気をつけたいのは心血管疾患です。高血圧の人がトイレでいきむと脳の中の血管やそこにできた瘤が破れたり、血栓が飛んだりして脳卒中心筋梗塞などの心血管疾患を起こすことがあります」

 宮城県大崎地区在住の40~79歳の男女4.5万人余りを対象に13.3年間の心血管系死亡と排便回数を調べた研究では、排便が「毎日ある」人に比べて、「2~3日に1度」「4日に1回以下」は心血管死亡リスクはそれぞれ、1.21倍、1.39倍多かった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情