著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

漢a.k.a.GAMIさんは全摘…膀胱がんは化学放射線療法で膀胱温存も

公開日: 更新日:

 扁平上皮がんは、移行上皮がんに比べて悪性度が高く、2年ほどで亡くなることが珍しくありません。手術をする場合、膀胱全摘です。

 しかし、ほかの臓器に発生した扁平上皮がんと同様に放射線治療が効果的であることも分かっています。特に最近はシスプラチンを主体とする抗がん剤と放射線を組み合わせる化学放射線療法を用いると、2年を超えて生存するケースも増えています。化学放射線療法はもっと検討されてよいでしょう。手術後の再発予防で、化学放射線療法が行われることもあります。

 化学放射線療法のメリットは、膀胱を温存できることです。前述したように膀胱を全摘すると、尿をためるところと出口がなくなるため、一般に腹部の右側に尿の出口を設けた上、尿をためるパウチをつけることが不可欠です。パウチはビニール袋のようなもので、これを嫌がる方は少なくありません。そこで、手術を拒否する方や高齢者などで膀胱の温存を希望される方には、化学放射線療法が提案されるわけです。

 膀胱がんは再発しやすいのも特徴。長期にわたって検査を受け続けることになるため、米国では「医療費が最もかかるがん」といわれますが、経過観察をおろそかにせず、きちんと受けることも大切です。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末