在宅医療は医療界のバーリトゥード…「なんでもあり」が特徴
一方、在宅医療は、自宅に伺うため病気を診るだけにとどまらず、生活面や心情さらには交友関係なども考慮し、多面的に医療を施す点が特徴といえます。
例えば、片付けが苦手な患者さんのお宅に伺ったときに、お弁当のゴミがあった場合、それとなく「今日のお弁当はなに食べたんですか?」(私)、「今日は○○(某弁当チェーン店)の銀鮭弁当だよ」(患者)。
このようなやりとりから患者さんの食生活を探ったり、また集合住宅の3階に住んでいたら、エレベーターがあるかないかなど、生活環境に合わせた歩行具の工夫も行います。
さらに「お金ないからあまり治療しないでほしい」と言う患者さんには、患者さんが現状で使える行政支援を提案するなど、直接医療に関わる知識だけでなく、生活の知恵や社会福祉、その方の大事に思っている信条など、すべてを考慮し生活を支えるのです。
そのため医療においてはスペシャリストであることはもちろんですが、診療内容に関して、総合的に幅広い知識や経験、技術を有しているオールラウンダーな人材であるゼネラリストが求められるわけです。