認知症の「軽症リハ」で、昼夜逆転の生活リズムを戻すこと重要なのはなぜか
当院では、軽症の認知症患者さんが入所してリハビリに取り組んだことで認知症の症状が回復し、自宅に戻ってからも楽しく暮らせるようになり、当院に再び戻ってくることはなくなるケースもたくさんあります。
■症状がほぼ改善して自宅に戻るケースも
認知症が軽症の段階で、介護する家族がいちばん困るのは、「夜に眠らなくなる」ことです。認知症では睡眠障害が起こるケースが多く見られます。加齢により浅い眠りの割合が増えて中途覚醒が多くなったり、認知機能の低下で日中の外出の機会が減るなど活動量が低下することで昼寝をする時間が増え、夜に眠れなくなるのです。
そうなると、夜に動き回って転倒したり、外を徘徊するなどトラブルのリスクがアップします。通常であれば就寝している時間ですから、介護する家族の負担が増大し“ギブアップ”につながってしまうのです。
そのため当院では、冒頭で触れた軽症リハと並行して、「昼間は起きて、夜は眠る」という本来の生活リズムを取り戻す取り組みを行います。朝起床してから、夜に就寝するまではベッドに寝かせないようにして、リハビリや食事の時間も含めて日中は覚醒した生活リズムを保つのです。