中高年が知っておくべき「職場転倒」…就業中の傷害事故のトップ
公益社団法人「東京しごと財団」発行の「シルバーとうきょう」(2024年7月16日号)によると、就業中等で発生した傷害事故で多いのは転倒(34%)、墜落・転落(15.9%)の2区分で半数を占めている。職種では屋外清掃、植木作業、屋内清掃、建物管理での事故が多く、半数を占めた。
転倒による骨折が多いのは60歳以上の女性で、そのリスクは20代女性の約15.1倍だというデータもある。ちなみに令和5年の転倒による平均休業見込み日数は48.5日で、前年よりも1日長くなっている。
■加齢ではなく仕事が原因と証明するのは困難
10月からは短時間労働者の加入要件が緩和され、厚生年金の被保険者数が51人以上で働く短時間労働者は健康保険や厚生年金の加入対象となるなど、高齢労働者への労働環境の整備は進んでいる。しかし、そうしたセーフティーネットはあっても、現実に運用されるかは別だ。
本来、仕事中のケガや業務が原因と考えられる病気は、労災として労働者本人やその家族が事業主の協力を得て、請求書を作成して労働基準監督署に提出。その原因が業務にあるか否かを調査され、労災と認定されると療養にかかる費用や休業中の給与などが補償・給付される。