HIVの新規感染報告件数…24府県が昨年累積数を既に上回る
第50週時点での「後天性免疫不全症候群」の新規届け出の全国総数は昨年同期比で51件多い949件。27府県が前年のペースを上回った。うち24府県が昨年1年間の累積件数を既に上回っている。
ここで言う「後天性免疫不全症候群」とはHIVの新規感染者とAIDSの新規発症者の合計数を指す。つまり、この数字の中には「いきなりエイズ」を告げられた人が含まれているということだ。
新規のHIV感染者数とAIDS発症者数の内訳はIDWRの速報データには記載がない。しかし、エイズ動向委員会が発表した2024年四半期報告によると、今年1月1日~6月30日までの新規HIV感染者数は324人。一方新規AIDS発症者数は174人となっている。
HIVやAIDSは若い男性同性愛者が感染する病気ととらえられがちだが、必ずしもそうではない。新規のHIV感染者は20~40代が多く、AIDS発症者は30~50代が多いことが報告されている。また、感染経路には異性間性的接触によるものが10%以上を占める。
梅毒感染した人はHIV感染を疑う必要がある。逆にHIV感染者は梅毒感染を疑う必要がある。梅毒感染とHIV感染は感染する場所や感染経路が似通っているためだ。
なお、あくまでもこれは速報値であるため各種確定値統計とは矛盾することがある。