(1)生物学的な違いが寿命の差を生んでいる
男性の加齢やストレスなどによる男性ホルモン(テストステロン)の減退現象の分析・研究が進み、男性のテストステロン低下のバラツキが著しいことから、女性側の医学的問題点より臨床上、より細心な個々人の検査と診断が求められていることが明らかになってきた。
医学的にも男性は難しい。男性は、幼児期は女性より病弱であり、しかも思春期青年時代にもいろいろな隠れた医学的問題を抱えている。
この性差医学の重要性は、中高年人口が増加する長寿社会でクローズアップされるようになり、男性側の健康問題にも世間の関心が高まってきた。
男性にも女性と似たような「更年期」があるとの認知はかなり広がっている。男性側は生活習慣が悪いから寿命が短いのではなく、男女の生物学的な違いが寿命の差を生んでいることに注目してほしい。=つづく
(監修=田村貴明・千葉大泌尿器科特任助教、医師 構成=熊本美加/医療ライター)