子供の近視の進行抑制に高まる期待…アトロピン点眼薬「リジュセアミニ」が登場
実際、強度近視は失明原因の上位であることが知られている。
近視は学童期に発症し、15~16歳まで進行する。そのため、この時期での進行抑制が重要とされる。海外では低濃度アトロピンをはじめ、さまざまな方法が検討されている。しかし、日本には眼鏡による矯正以外に近視抑制の効能・効果をうたった医薬品および医療機器が存在しなかった。
「発売された点眼薬は軽度から中等度の近視の子供が対象。使い方は1日1回、就寝前に1滴さすだけ。簡単です」
主な副作用として羞明が報告されている。なお、低出生体重児、新生児、乳児、5歳未満の幼児を対象の臨床試験はしていない。
もともとこの薬の成分であるアトロピンは、瞳孔を開いたり、ピントを調節するための毛様体筋を休める働きがあり、小児の屈折検査などに使用されてきた。眼科医の間では、強い近視抑制効果があることが知られていたが、濃度が高いと目の調節麻痺により手元が見えなくなる副作用があり、日常的には使用が難しかった。