大分南部で震度5…「南海トラフ地震」との関連を専門家指摘
今年になって中部―九州地方が揺れ続けている。
13日午前3時ごろ、大分県南部を震源とする地震が発生。震源の深さは約60キロ、マグニチュードは5.7と推定される。佐伯市で震度5強、豊後大野市、愛媛県西予市で震度5弱を観測し、九州から中部地方にかけて広く揺れた。気象庁は「陸側のプレートに沈み込む、海側のフィリピン海プレート内部で地震が発生したとみられる」と話した。南海トラフの巨大地震との関係は「分からない」というから心配だ。大分県南部の地震は珍しく、周辺では約2年8カ月前に震度1があったきりだ。
だが、大分に限らず、この2~3年、関西―九州地方で大型地震が頻発している。13年4月の淡路島で直下型地震(震度6弱)、昨年3月の伊予灘地震(震度5強)や今年2月の徳島(震度5強)などだ。いずれも南海トラフの巨大地震との関連が指摘される場所である。今回の地震はなぜ起きたのか。
「紀伊半島の先から続くフィリピン海プレートは、四国―九州の間で急カーブに折れ曲がっています。これは、阿蘇山や雲仙普賢岳の火山活動が活発化し、マグマを押し上げていることが原因です。マグマはすべて上に噴き上がるのではなく、地下で横に広がる。そのためプレートも押されて曲がりが強くなっているのです。フィリピン海プレートとつながる南海トラフから押し寄せる力と九州側から押し寄せる力がぶつかって地震を起こします。当然、南海トラフ地震との関連は考えられます」(元東大地震研究所准教授の佃為成氏)