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櫻井幸雄住宅ジャーナリスト

1954年生まれ。1984年から週刊住宅情報の記者となり、99年に「誠実な家を買え」を出版。以後、多くの著書を送り出し、新聞、雑誌、テレビ、ラジオと幅広く活躍している。「とにかく現場を見る」主義で、年間200物件以上の物件取材を敢行。首都圏だけでなく、近畿圏、中部圏、福岡、札幌など全国の住宅事情に精通している。

【北与野】地震も子育ても安心できるが…

公開日: 更新日:

 JR埼京線で「大宮」の隣駅が「北与野」。住所はさいたま市中央区で、JR宇都宮線などが利用できる「さいたま新都心」駅も近い。といっても、実際に歩くと両駅間は10分程度の距離がある。

 2駅間が近く見えるのは、「道路+歩道」が幅広で、見通しがよいからだろう。大宮を中心とするエリアは平坦な土地が広がっており、北与野やさいたま新都心も平坦な場所だ。加えて、地盤が強固なエリアとしても知られ、大地震が起きた時も安心度が大きい。

 そうした“条件”もあって、「北与野」駅周辺には超高層マンションが多い。駅から離れると10階程度の大規模マンションが目立つ。それも、比較的築年数の浅い(つまり建てられて間もない)建物が中心。その間に一戸建て住宅地が存在するという特色がある。

 JR埼京線が開通したのが1985年で、それに合わせて駅周辺の開発が一気に進んだ。近年になって計画的につくられた街なので、超高層マンションや大規模マンションが多いのだ。それらは駅に近くて便利といえる。

 一方で、駅周辺に個人商店が少なく、活気が乏しいのも北与野の特徴。日々の買い物は駅から少し離れた大型商業施設に出かける人が多く、そのためか駅周辺になかなか活気が出てこない。

 実際、「ちょっとコーヒーでも飲みながらお話を……」と思っても、適当な店を見つけにくい。街に“元気さ”や“面白み”が乏しい印象だ。子供を非行に走らせたくない親にとっては、理想的な住環境かもしれないが……。

【連載】人気住宅地のウソ

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