醜聞でも学力は麻布に匹敵「駒場東邦」は受験者に狙い目か
ただ、学校関係者の見方は違う。
「麻布と同数だといっても、あちらがいきなり人数を大きく減らしたからであって、駒場東邦が上がってきたわけではない。最近の東大合格者数の推移で一番盛り上がったのは2015年。82人(5位)と、初めて80人を突破した時です。しかし、そのあとは伸び悩んでいるのが実情なのです」
前年の2014年、駒場東邦の東大合格者数は75人(5位)、麻布は82人(4位)。順調に伸びていると、学校関係者の多くが実感できた時期だった。そして15年。同年の麻布は84人で4位。すでに駒場東邦は麻布にあと2人まで肉薄していて、並ぶのも時間の問題だったのだ。しかし、20年にせっかく追いついたといっても、高い水準での争いではなく、手放しで喜べる空気はどこにもなかった。何しろ、東大合格者数トップの開成は1学年の生徒数が400人もいるとはいえ、18年175人、19年186人、20年185人と別次元の世界を繰り広げているのである。
いずれにしても、駒場東邦は2015年のピークを境に上昇気流から外れてしまう。東大合格者数は16年57人(8位)、17年52人(9位)、18年47人(12位)、19年61人(8位)と、低空飛行が続いていた。