前年比132%の売り上げ! いなば「カレーシリーズ」おいしさの秘密を商品開発チームに聞いた
タイカレーシリーズとして新商品を続々と発表し、販売開始から2年目の13年、日本食料新聞社の優秀ヒット賞を受賞した。
強みは素材から加工まで現地で行われるという点にある。
「国内でもタイ産のハーブなどが手に入りますが、そのほとんどは冷凍モノばかり。ですが、弊社のカレーシリーズは香辛料や具材など、現地で収穫した本場の味をそのままの美味しさで詰め込んでいます。だから香り立つし、コクがある。それが弊社のカレーの強みです」
同時に、現地生産であることがマイナスに働く側面もある。企業側として、現地で雇用するタイ人に日本人と同様の勤勉さを求めることは難しく、また、消費者側からしてもタイの製造環境がどの程度なのか不安に思う向きも一定数あるからだ。
「確かにタイの工場を稼働させた当初は従業員の教育で苦労するところもありました。だからこそ、現地には社員を常駐させています。それが安心・安全維持にも繋がっています。彼らが定期的に衛生指導をするのはもちろん、例えば、バジルやコブミカン、青唐辛子などは工場受け入れ段階商品で農薬量をチェックするし、収穫直前には無農薬期間を設けています。商品輸出前も、製品ごとに検査もしていますし、その他にも……こういった側面はあまりアピールする機会がないので、どうしてもお伝えしたい。現地製造でこその本場の美味しさを日本の製造管理で生産している自信がある。国内でも海外でも、ここまでしている企業を見つけるのは難しいというくらいにやっています」