昔見た見せ物小屋の雰囲気を思い出したライブステージ
野毛(横浜)③
知らない町に行って酒が飲みたくなったとき、どんな店を選ぶかで、飲み手の酒飲み偏差値が分かる。昔、何も情報がないときは焼き鳥屋を探せ、と先達に教わったことがある。その先達は若いころ世界中をバックパックで放浪していた。腹が減ったときはチキンを食えば間違いない、という。べラボーにまずい唐揚げはないし、腹が減っていればどんな唐揚げだってうまい。しかも鶏肉は安い。だから店が決まらないときは焼き鳥屋に限るというわけである。
■「もつしげ」の絶品塩煮込み
野毛はそんな焼き鳥密度が高い。焼き鳥ばかりではなく、もつ焼きも豊富だ。昔、もつ焼き屋に女子を連れていくと珍しがられて男の株が上がったものである。単に安かったから連れて行っただけなのだが。
「これは何?」「ハツ、心臓だよ」「おいし~」。今では立場が逆だ。女子が男を引っ張ってもつ焼き屋に入っていく。そんなカップルが多いのが本日1軒目の「もつしげ」。一押しは塩煮込み(650円)。大根などの野菜は一切入らず、薬味のネギと牛モツのみ。きっと何度も何度も煮こぼしたであろう透明に近いすっきりとしたスープが絶品だ。この煮込みなら夜中に食べても女子たちにもOKだろう。