能登半島地震は2020年から675回…地震は頻発も“本震”までエネルギーが分散されない?
■エネルギーを分散させるには足りない
立命館大環太平洋文明研究センター特任教授の高橋学氏が言う。
「有感地震が頻発することで巨大地震のエネルギーが解消されることはありません。日本は地震列島で、昨年12月の1カ月だけでも全国でM1以上の地震が1万5000回以上ありました。つまり全国の懸念されているエリアで毎月数百、数千回と揺れていますが、それとは関係なく巨大地震が発生しています。Mは1違うとエネルギーは33倍、2違うと1000倍違うといわれます。巨大地震のエネルギーを分散させるほどの有感地震には全然足りていません」
能登地方は棚田が広がる地滑り地帯だったため、住宅被害などが大きかったが、M7.6の規模は地震史でみると中規模に当たる。
高橋氏によると、日本周辺の地震が科学的に観測された1995年から、M7以上の地震は5年に3回、M6クラスになると5年に10回は起こっているという。
「M8.5からM9.0の地震はプレート型の地震で、今後懸念されるのは相模トラフから琉球海溝に続く、スーパー南海トラフの巨大地震でしょう。内陸直下型でM8.0を超えることはほとんどありませんが、過去に唯一M8.0を観測した岐阜県の濃尾地震が1891年以来、沈黙しています。福井県から岐阜県の根尾谷を経て名古屋に向かって活断層が動きますが、現在兆候が見られているため、要注意です」(高橋学氏)
常に心構えが大事だ。