著者のコラム一覧
内田正治タクシードライバー

1951年埼玉県生まれ。大学卒業後、家業の日用品、雑貨の卸会社の専務に。しかし、50歳のときに会社は倒産。妻とも離婚。両親を養うためにタクシードライバーに。1日300キロ走行の日々がはじまった。「タクシードライバーぐるぐる日記」(三五館シンシャ)がベストセラーに。

(18)苦労から学んだのは、お客に対して素直に「教えてください」と言えるメンタリティー

公開日: 更新日:

 いまでも忘れられないのが首都高速道路の箱崎ジャンクションだ。千葉方面に向かおうと料金所を抜けた後、コースを間違えてしまうと銀座方面に向かってしまったり、同じ千葉方面でも湾岸道路に向かってしまったりする。はじめての箱崎ジャンクションでは、その複雑さに思わずブレーキを踏んだこともあった。

 注意しなければならないのは高速道路ばかりではない。大きな交差点での右折、左折も要注意だ。あるとき、お客から「上馬交差点で右折」といわれていてクルマを進めていた。東京・世田谷の上馬交差点とは246号線と環状7号線が交差する場所だ。「右折」といわれ、当然ながら右車線を走っていたのだが、とんだ失態を演じた。都内の運転に慣れている方はご存じだろうが、都内の交差点は立体式になっている箇所がいくつかあり、そこでは右折の際には一番左の車線を通行して側道から交差点に入ってから右折しなければならない。初心者だった私はそれを知らず、右折できないことに気づき仕方なく直進しUターンしたことがあった。いまとなっては恥ずかしい事件だが、お客におわびして値引きしたことがあった。

 こんな経験から、私はひとつのことを学んだ。それはお客に対して素直に「教えてください」とお願いできるメンタリティーだ。50歳だろうが60歳だろうが、知らないことは知らない。それを受け入れてしまえば「教えを請う」ということが少しも恥ずかしくなくなる。非番のときに地図を片手に道を覚えるより、お客に教えてもらうほうが覚えは早い。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  2. 2

    清原果耶ついにスランプ脱出なるか? 坂口健太郎と“TBS火10”で再タッグ、「おかえりモネ」以来の共演に期待

  3. 3

    だから桑田真澄さんは伝説的な存在だった。PL学園の野球部員は授業中に寝るはずなのに…

  4. 4

    PL学園で僕が直面した壮絶すぎる「鉄の掟」…部屋では常に正座で笑顔も禁止、身も心も休まらず

  5. 5

    「ニュース7」畠山衣美アナに既婚者"略奪不倫"報道…NHKはなぜ不倫スキャンダルが多いのか

  1. 6

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 7

    フジ火9「人事の人見」は大ブーメラン?地上波単独初主演Travis Japan松田元太の“黒歴史”になる恐れ

  3. 8

    ドジャース大谷 今季中の投手復帰は「幻」の気配…ブルペン調整が遅々として進まない本当の理由

  4. 9

    打撃絶不調・坂本勇人を「魚雷バット」が救う? 恩師の巨人元打撃コーチが重症度、治療法を指摘

  5. 10

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した