市民のヤジが処罰される日…「つばさの党」にガサ入れ、選挙妨害への規制強化に自民前のめり

公開日: 更新日:

「ヤジ排除問題」との混同はデマに等しい

 音喜多氏以外にも1審敗訴以来、警察の対応は慎重になったとの論調を目にするが、この裁判で問われているのは警察の「やりすぎ行為」が妥当か否か。さすがに警察もヤジを選挙妨害として摘発していない。選挙妨害とは判例に基づき、〈組織的かつ拡声器などを使って演説を妨げる行為〉と専門家は指摘している。

「短いヤジを飛ばしただけで強制排除された市民の裁判と今回の選挙妨害は次元が異なり、混同するのはデマに等しい。規制強化の動きに押されたとはいえ、警察は判決にひるむどころか、図らずも現行法で選挙妨害を十分に取り締まれることを実証しました。東京15区補選に候補を立てず選挙妨害の実害ゼロの自民が、法改正に前のめりなのも不思議です。選挙妨害に便乗し政権批判を封じ込めたい狙いはミエミエで、この動きだけでも市民のヤジを飛ばす自由を萎縮させる効果があります」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)

 ヤジに切れる政治家といえば、17年都議選の安倍元首相を思い出す。つばさの党の行為と市民のヤジを切り分けないと、あの日、指をさされた「こんな人たち」が処罰される日は近づくだけである。 

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    小室圭さん騒動時を彷彿させる宮内庁長官の“ズレ”…まずは悠仁さま世代の受験生が納得する丁寧な説明を

  2. 2

    兵庫パワハラ知事やコバホークも? 東大→官僚→政治家は“ピカピカの経歴”にあらず旧いタイプ

  3. 3

    悠仁さまは学習院ではなぜダメだった?大学進学で疲弊する宮内庁職員「もうやめたい」と悲鳴

  4. 4

    小泉進次郎氏のトンチンカンが止まらない!「大学に行くのがすべてではない」「改憲はファストパス」まで飛び出す始末

  5. 5

    教団とズブズブ自民党・萩生田光一ついに落選危機…最強刺客“統一教会キラー”が東京24区に参戦

  1. 6

    ただの思い付きじゃなかった? 小泉進次郎氏が「解雇規制の緩和」をぶち上げたワケ

  2. 7

    石川県・馳浩知事は危機感ゼロ! 能登豪雨災害でやっと珠洲市視察もKY能天気コメント

  3. 8

    河野太郎氏は総裁選で最下位争いのオワコン…保険証廃止強行で“政治生命の危機”の自業自得

  4. 9

    高市早苗氏の猛追に旧統一教会が見え隠れ…熱心な信者がXで「サナエ一択」を大拡散

  5. 10

    どうする? 野党候補一本化「競合88選挙区」…立憲・野田新代表「最初にして最大の試練」

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷に懸念される「エポックメーキングの反動」…イチロー、カブレラもポストシーズンで苦しんだ

  2. 2

    阿部巨人V奪還を手繰り寄せる“陰の仕事人” ファームで投手を「魔改造」、エース戸郷も菅野も心酔中

  3. 3

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  4. 4

    吉村知事の肝いり「空飛ぶクルマ」商用運航“完全消滅”…大阪万博いよいよ見どころなし

  5. 5

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6

    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

  2. 7

    大谷ファンの審判は数多い あいさつ欠かさず、塁上での談笑や握手で懐柔されている

  3. 8

    小泉進次郎の“麻生詣で”にSNSでは落胆の声が急拡散…「古い自民党と決別する」はどうなった?

  4. 9

    ドジャース地区連覇なら大谷は「強制休養」の可能性…個人記録より“チーム世界一”が最優先

  5. 10

    ドジャース地区V逸なら大谷が“戦犯”扱いに…「50-50」達成の裏で気になるデータ