シニア猫の「元気ない」「食べない」「吐く」は便秘を疑って
シニアのワンちゃんは便が緩くなりやすいのですが、シニアのネコちゃんは逆に便が硬くなって便秘がひどくなる傾向です。
悪化すると、たまった便が多くなり過ぎて、自力で排泄できなくなるほどで、結腸が膨らむので巨大結腸症と呼ばれます。その対策を紹介しましょう。
ネコちゃんの結腸には90度近く湾曲する部分がある上、腸管も狭くなるため、構造的に便が引っ掛かったり、停滞したりしやすい。そこに加齢の影響が重なると、巨大結腸症を起こしやすくなります。
その影響の一つは、脊椎変性による神経の圧迫です。それによって神経伝達が悪くなると、腸を取り囲む筋肉の収縮力が低下し、便を押し出す蠕動運動が弱まります。それでたまった便により、筋肉が伸び切ってしまうと、今度は緩んでしまってますます便が停滞することに。パンパンに膨らんだ風船の空気を抜くと緩んだゴムが元に戻らなくなるイメージです。
もう一つは結腸を含む大腸の吸水作用で、停滞した便の水分が吸収されてより硬くなります。そうなると自力での排便が難しい。便が出ないのはもちろん、食欲不振や元気がないといった症状が見られ、ひどいと気持ち悪くて嘔吐します。