カメムシ注意報が東京都でも発令中!大量発生で果物や米の値段また高騰か?
温暖化で生息域が北上している
電球をLEDに替えることも考えたい。LEDの光は発光の仕組み上、紫外線がほとんど含まれていない。そのため蛍光灯と比較すると虫からは見えにくくなるという。
さらに、洗濯物の中でもシーツやワイシャツといった白色系の素材は紫外線を多く反射するため、カメムシには明るく見える。白い洗濯物に多くくっついているのはそのためだ。被害が多いところでは、洗濯物は室内干しを考えたい。
昨今の地球温暖化がカメムシの生態系に影響を与えているかはわからないが、カメムシの発生域は確実に北上している。本来は熱帯、亜熱帯に広く分布するミナミアオカメムシが典型例で、1950年代までは九州地方を中心に発生していたが、今や関東地方各地においても発生が確認されるほど。この種は極めて食性が広くイネの斑点米の原因となるほか、豆類や野菜類へも被害をもたらす雑食タイプだ。
通常であれば、ミナミアオカメムシは平均気温が5度以下の地域では越冬できないとされているが、埼玉県や千葉県でも平気で冬を越えてしまう。これまで山の樹木の皮の裏などで越冬してきたものが、住宅地が里山へ広がったことで格好の隠れ家ができたことも影響している可能性がある。
また、カメムシを捕食するカマキリの減少が影響している可能性もある。河川改修や産卵のための草木の減少などにより、カマキリの生息環境が急速に悪化。昔は庭先でもよく見かけたオオカマキリの姿も今ではめっきり数が減った。カマキリは増えすぎても、果樹の受粉を助けるハチの減少などを招くが、個体数が減少すれば生態系にも影響を与える。
もちろん、カメムシにとっての最大の天敵はカマキリではなくヒトだ。