(52)冷蔵室を丸ごとチルド化しちゃった! 日立の冷蔵庫に見る驚きの技術力
チルド室が冷蔵室最下にあるのは、真下にある冷凍庫の冷気を使うためです。さらに隔離部屋なので、温度以外にもいろいろな挑戦がされてきました。
ユニークなのは日立の「真空」チルド。「真空」と言っても気圧ゼロではありません。JISの定義では「真空」とは「通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた状態」。鮮度劣化は酸化が原因。そこで「真空」チルドは、少し空気を抜いてやって酸素分子の数を減らす技術です。
■開ける時の「プシュー」がかっこいい!
日立の場合は0.8気圧。このチルド室の扉を開ける時が実にかっこいい。「プシュー」と、ガンダムのコックピットが開くような音がする。冷蔵庫が頑張って働いていると感じます。私の「推し音」です。が、これ以上圧力を下げると構造変更が必要になるので、この技術はこれが限界です。
日立はさらに、チルド室をマイナス1度(特鮮氷温ルーム)、冷蔵室内を2度へとチルド化しまました。断熱技術のレベルが上がり、冷蔵室全体を2度にしても電気代が変わらなくなったからです。肉や魚を冷蔵室のどこに置いてもそれなりに鮮度を保てるのです。