1回ポッキリ定額減税の裏で忍び寄る…6月スタート「こっそり増税」と「がっつり負担増」
「政策に一貫性が欠ける」
こっそり負担増はまだある。今月1日から改定された診療報酬の引き上げに伴い、初診料は30円増の2910円、2回目以降の再診料は20円増の750円に。入院した際にかかる基本料金(入院基本料)も1日あたり50~1040円引き上げられた。皆さん、ご存じですか? 淑徳大大学院客員教授の金子勝氏(財政学)がこう言う。
「肝いりの定額減税は収入や世帯によって受益がバラバラですし、子育て支援金も負担と給付のバランスが悪い。減税や支援を打ち出しながら、その実、何をどうしたいのか狙いが見えてこない。政策的な目的がないから、減税や支援をうたいながら国民負担も平気で増やす。ゆくゆくは防衛増税が待ち受けていますが、防衛費増につながる円安インフレは放置。岸田首相はすべてが場当たりゆえ、政策も一貫性に欠けるのです」
かくして国民不在のまま、岸田の自己満足を満たすためだけの実効性のない政策が並ぶのだ。
すでに足元では、今年1月から生前贈与加算の延長という実質増税が始まり、4月からは後期高齢者の医療・介護の両保険料が引き上げられた。10月には社会保険の加入対象が「従業員101人以上」から「同51人以上」の事業所で働くパート労働者にも広がる。
ざっと並べただけでも、負担、負担、負担の嵐。雀の涙ほどの定額減税もがっつり負担増なら、ますます意味を失う。