「南海トラフ地震臨時情報」初の発表…改めて知っておきたい関東大震災・阪神淡路大震災の“前兆”とは?
関東大震災の宏観異常現象としては、地震の3~4カ月前から〈茨城・水戸や千葉・銚子で有感地震が急激に増加した〉という記録が残っており、1週間ほど前には〈東神奈川の海岸寄り運河でハゼが異常発生〉〈神奈川県中郡南秦野村の井戸で大地震前に水位減少〉といった報告もある。
紀伊半島から四国南方沖を震源とした46年12月21日の「南海地震」(M8=前回の南海トラフ地震)でも、津波で壊滅的な被害を受けた和歌山県串本町の資料に〈地震前に地鳴りを聞いた人は151人〉〈閃光を見た人は346人〉といった調査記録が残されている。
■「血のように赤い月」「テレビ・ラジオの電波障害」
阪神・淡路大震災では空と大気の異常があった。「大阪市立大学阪神大震災学術調査団」が住民に前兆証言を募集し、1500件を超える証言を特徴ごとにまとめている。それによると、圧倒的に多かったのは「血のように赤い月」「一本線でくっきり境界のある雲が出ていた」といった「空気と大気の異常」の29%。地鳴り・井戸水の減少などの「大地の変化」(11%)、テレビ・ラジオなどの電波障害の「電磁波異常」(9%)が続く。