元気なシニアのワンちゃんは軟便になることが…まずフード変更で対策を
ワンちゃんはシニアになると便が緩くなることがあります。そこに体重減少が重なると飼い主さんは心配でしょう。
先日、12歳のワンちゃんを連れてこられた方もそうでした。少し前に引っ越されて近所の動物病院に転院し、そこで血液検査や便潜血検査、エコー検査、X線検査などのフルコースを受けたものの、異常ナシとのこと。「それはおかしい」と久しぶりに当院を受診されたのです。
飼い主さんは翌日から出張のため、3泊4日で預かって診ることになりました。
転院先の動物病院はかかりつけになって日が浅く、年齢や症状から腫瘍や消化器系の異常が疑われるためフルコースの検査自体に問題はありません。
そんないきさつから私が疑ったのが「タンパク漏出性腸症」でした。
膵臓は脂質やタンパク質を分解するパンクレアチンという酵素を分泌しますが、加齢によってその分泌が枯れてくることもあります。そうすると脂質やタンパク質が十分に消化されず、それらが不消化物として便に含まれるのです。