元気なシニアのワンちゃんは軟便になることが…まずフード変更で対策を
同じような症状はヒトでも起こります。若いころは平気だった脂っこいものを、中年が食べると胃がもたれて便が緩むことは珍しくありません。読者の皆さんも経験があるはずです。
初日、スタッフに便の採取を頼むと、案の定、黄ばみが強い軟便。便を調べると、タンパク質や脂質がたくさん含まれていました。そうとわかれば処方できるのはパンクレアチンです。この薬は粉末で甘く、フードにかけると、ほとんど嫌がることなく食べてくれます。それで酵素の不足分を補い、症状の改善が期待できるのです。
預かったワンちゃんにもこの薬を服用させると、翌日は便の色が黄から白に。2日目には硬くなり、4日目はしっかりとした便になり、それを見た飼い主さんは驚かれていました。これが診断的治療です。すでにフルコースの検査がなされていて異常ナシだったので、すぐに判断することができました。
■繊維質が豊富なフードに替えてみて
ワンちゃんやネコちゃんがシニアになって、便が軟らかく、黄ばみが強くなってきた。それで痩せてきたけど、元気はある。そんなとき、飼い主さんもこの症状を疑い、試しにフードを替えてみることをお勧めします。繊維質が豊富なフードにして便が改善すればタンパク漏出性腸症の可能性が大きいでしょう。それでも良くならなければ病院へ。そんな手順でもよいと思います。