元キャバ嬢の「ギャル船長」が舵を取る極上カワハギ釣りを体験した
神奈川県小網代の「丸十丸」は、ギャルが船長を務める異色の釣り宿だ。小麦色の肌に鮮やかなカラコン、耳だけでなく目の上にまで開けられたピアス、きらびやかなネイル--。ド派手なスタイルで船を操るのは小菅結香さん(27)。水産高校を卒業後、アパレル業界やキャバクラ勤務を経て、2021年に家業の釣り宿を継ぐことを決心。やがて4代目を襲名した。青い海とギャルパワーが織りなす釣行は、いったいどのようなものなのか。本紙記者が突撃した。
出航は朝7時半。狙うは冬の味覚・カワハギだ。
ポイントに到着して数分、「ナイスゥ~!」と明るい声色のアナウンスが響く。他の釣り客がカワハギを釣り上げたのだ。それからというもの、ギャル船長はカワハギが釣れるたび、「ナイスゥ~!」の掛け声を飛ばし、「いいサイズじゃん!」「キレイな色だね!」「やったじゃん! 見てたよ!」とヨイショ。
さらに、「カワハギは途中で急に引かなくなるけど、それは上を向いている証拠! 最後まで自分を信じてリールを巻いてね!」と具体的なアドバイスも続く。
周りに遅れて記者も釣り上げ、ついに初「ナイスゥ~!」をゲットした。少し照れるが、褒められると素直にうれしい。いや、すごくうれしい。もっと「ナイスゥ~!」が欲しい……。竿を握る手に自然と力が入った。
ギャル船長は釣り人がカワハギ以外の魚を釣り上げても、フォローを忘れない。
「それ、オキゴンべ! キレイだよね! 観賞魚として3000円くらいの価値があるよ!」
「ミノカサゴだね! さっきよりも大きいじゃん! 背びれに毒があるから気をつけて!」
「(毒魚の)キタマクラは可愛いけど、釣れすぎるとちょっと恨めしくなるよね!」
などと解説しながら、常に船上を盛り上げてくれる。気温は4度。海上の風で体感温度はさらに下がるが、不思議と寒さは感じなかった。