鹿児島市立天文館図書館(鹿児島県)画期的な本の配置と唯一無二の開放感
友人同士の会話、親が子どもに本を読み聞かせる声など、開放的で穏やかな空間が広がっている。
鹿児島市の中心繁華街として栄える天文館。3年前の2022年にオープンした複合商業施設「センテラス天文館」の4、5階に図書館はある。
「同じ階に商業店舗やオフィスなどもあるのですが、図書館との仕切りやゲートなどはありません。館内ではおしゃべりなどの音に関する制限もありません。お子さんたちも気にせずに楽しんでいますし、商業施設なので他の店舗のBGMなども聞こえてきます。フタ付きのものなら飲み物の持ち込みもOK。そんな開放感がある図書館なんです」(松田優子館長)
鹿児島市の中心市街地となる天文館は、市民の交流拠点。そのため、従来の図書館にはないさまざまな工夫をしている。蔵書数は約4万7000冊。決して多くはないが、天文館図書館は鹿児島市立図書館に次ぐ2館目の市立図書館という位置付けだからだ。
松田館長が言う。
「天文館図書館では、『そだつ』『くらす』『はたらく』『うみだす』の4つのテーマに沿って本の配置をするなどの工夫をしています。例えば、子育てに関して調べたい場合、おおまかに子育てといっても食事や教育などさまざまなジャンルがありますよね? 従来の図書分類法だと、これらは異なる分類なので別々の書棚に置かれますが、天文館図書館では子育てなら分類法に関係なく、『そだつ』のコーナーに置いてあります」
あくまで利用者が使いやすいようにという配慮がなされているのだ。