大阪府・吉村知事が主張「マイナで医療費最適化」に根拠なし…現行保険証“復活法案”にイチャモンも理屈は意味不明
最も理解しがたいのはマイナ保険証が医療費や社会保障費の抑制に資するかのような主張だ。
そもそもマイナ利用促進の旗を振ってきた厚労省もデジタル庁も、いくら抑制されるかなんて数字は持ち合わせておらず、ただただ「(効果額は)ケタが違う」(平将明デジタル相)と言い張っているだけ。何の根拠もない。
右肩上がりの医療費や社会保障費が問題なのは明らかだが、マイナ保険証への一本化による抑制効果はあいまい。マイナ保険証が普及すれば医療費が抑えられるかのような吉村知事の主張は、政府が垂れ流す希望的観測に過ぎないのだ。
保険証廃止の撤回を訴える全国保険医団体連合会(保団連)事務局次長の本並省吾氏が言う。
「どんなロジックでマイナ保険証が医療費を抑制するのか、理解に苦しみます。マイナ保険証は、端的に言えば、医療機関の入り口での資格確認の方法を変えただけ。医療費の適正化はレセプトデータの利用によってすでに行われており、重複投薬などもチェックできる。医療費抑制と言いながら、マイナ普及に兆円単位の予算をつぎ込む政策に『ムダ』とは思わないのでしょうか」