【オーガズム問診票付き】イケない男は精子が劣化する、125人調査で明らかに…オレは大丈夫か?
不妊症は、男女それぞれに原因がある。厚労省の男性不妊調査によると、男性の場合、精子の異常が8割を占める。その精子について、興味深い研究結果が発表された。オーガズムの状態がイマイチな男性は、精子の状態もよくなかったというのだ。
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オーガズムは性的な絶頂期のことで、男性の場合、射精とほぼ同時に起こる。脳内で快楽ホルモンと呼ばれるドーパミンが分泌されるためだ。
今回の研究は、男性不妊患者を対象に調査を行い、絶頂感の乏しさと精液の状態を関連づけている。9月に開かれた日本性機能学会で協和会第二協立病院ARTセンター(兵庫県)の近藤宣幸医師らが発表した。その研究内容を振り返ってみよう。
近藤医師らは昨年4月から今年3月に同センター男性健康外来を受診した男性不妊患者のうち、精液検査とオーガズムの関連データがある125人(24~63歳、年齢中央値35歳)を対象に、精液量や精液の運動率、総運動精子数などの精液所見とオーガズムについて調べる後ろ向き研究を行った。
■半数はオーガズムに問題アリ
オーガズムについては近藤医師らが作成した問診票をもとに採点。〈別表〉の通りで最高は9点、最低は1点だ。そのスコアが記録された日に近い時点の精液所見との関連を調べている。
スコアの内訳は、9点が62人、8点が25人、7点が12人、6点が6人、5点が5人、4点が7人、3点が1人、2点が0人、1点が7人だった。対象者の年齢中央値は35歳と若いものの、半数は十分な絶頂感を得られていないことが分かる。
その結果、9点群と比べて8点以下群と5点以下群の精液所見を調べると、どちらも有意差はなかった。しかし、極めて絶頂感を欠く1点群との比較では、運動率と総運動精子数が有意に低かったという。
近藤医師らはまた、「9~7点」「6~4点」「3~1点」に分けてグループ比較を実施。オーガズムのスコアが下がるにつれて、運動率、運動精子濃度、総運動精子数が低下したという。絶頂感が乏しい男性ほど、精子の状態もよくなかったわけだ。
精液は、その量のほか、そこに含まれる精子の濃度、精子全体の中で運動する割合を示す運動率などで状態をチェックする。その状態がよくないと、男性不妊の原因になることはよく知られている。