第一線に生き残る「昭和元年企業」の強さの秘密 決して順風満帆ではなかった“ド根性”時代
カタログのカラー化とカタログギフトを始めた革新企業
●シャディ(アサヒ扇子本舗・林信本店)
シャディの歴史は昭和元年に林信二郎が大阪市南区(現中央区)に「アサヒ扇子本舗・林信本店」を設立して扇子やうちわ、カレンダーを扱う卸の商売を始めたことに遡る。その頃からすでにボランタリーチェーンシステム(加盟店同士が共同運営)を採用し、地方の代理店にも商品を卸していた。シャディと社名変更したのは1979年のことで、ヒンディー語で「愛」という意味だ。
「ギフト業界の牽引役としてさまざまなイノベーションを行ってきました。業界で初めてカタログをカラー化したのも当社ですし、今や冠婚葬祭の返礼品の主流となったカタログギフトも最初に始めました」(シャディ広報担当者)
カタログのカラー化は1971年、カタログギフトは1986年にスタート。常に革新的なアイデアを追求してきた。
だが、業界がオンライン販売にシフトしていく中、フランチャイズ実店舗は次第に苦戦。2018年にはラオックスのグループ会社になっている。もっとも、コロナ禍に親会社が外国人客の減少に苦しむ中、売り上げを支えてきたのがシャディのオンライン通販事業だった。長く商売を続けていれば雨の日や雪の日もある。その都度、シャディは独自のアイデアで乗り越えてきた。