自民裏金疑獄「森元首相包囲網」着々と狭まる… 西村前経産相・下村元文科相“再聴取”が意味するもの
小悪も巨悪も眠らせるな
総理総裁への野心をたぎらせる下村氏は安倍元首相死去後に会長就任をもくろんだが、シャシャリ出てきた森元首相があの手この手で阻止。森元首相に土下座したエピソードを暴露し、西村氏ら「5人衆」をさんざっぱら持ち上げ、下村氏を中枢から徹底的にパージした。
「森さんは引退後も億単位のカネを集め、とかく資金力を誇ってきた。カネに対するこだわりは強く、会長昇格を狙った塩谷立座長に『カネはあるのか?』と詰め寄ったほど。安倍さんの鬼籍入り以降、中ぶらりんの清和会を事実上取り仕切ってきたのは森さんです。ポスト岸田の座を狙う西村氏がこれ見よがしの忠誠心で森さんに逐一報告していたのは想像に難くない。森さんから蛇蝎のごとく嫌われ、痛めつけられた下村さんは事情をよく知る一人なのも間違いないでしょう」(自民党関係者)
そもそも、安倍元首相が還流廃止を言い出した意図も判然としない。特捜部が聴取した安倍派議員に対し、「キックバックの一部を森元首相に上納していなかったか」と聞いているとの情報もある。東京五輪汚職をめぐり、特捜部の遺恨はくすぶる。小悪も巨悪も眠らせないでほしい。国民の切なる願いだ。