「投資は投信一択」…運用資産1400億円超の投資アドバイザーが初心者に勧める理由
投資とお寿司は「おまかせ」がいちばん
私はこれまで1万人以上の人に「投資していることを忘れていられる投資」こそが最強最高だと、セミナーや講演でお伝えしてきました。
「忘れていられる」ということは、投資の中身や投資方法に「安心している」ということです。投資の世界につきものの「不安」や「怖れ」がまったくない状態と言えます。それこそが、これから長期間、投資生活を送っていくうえで一番大切なのです。
投資信託はファンドマネージャーと呼ばれる投資のプロがみんなのお金を集めて、数十社、数百社、数千社の株価が上がりそうな銘柄を買い集めてひとつの詰め合わせ商品をつくって運用する仕組みです。ファンドマネージャーは株式や債券、その他さまざまな金融商品に投資をして利益を出すことを目指します。もし投資対象が何らかの原因で値下がりしたら、他の銘柄を選び直したりして利益を出すために工夫をします。
プロが投資先を選んで投資して、利益を出してくれる。メンテナンスもしてくれる。つまり、プロに丸投げしてほったらかしにしておける方法なのです。お寿司屋さんと同じで、「おまかせ」がもっとも“おいしい”というわけです。
個別の株を買う株式投資は、銘柄選びから売却のタイミングまで、すべて自分で判断してやらなくてはなりません。毎日、チャートを見て株価の値動きをもとに、売るか買うかを判断する。そのような投資を「面倒だな」と思うのは当然です。実際、面倒ですから。スリルが好きな方はワクワクするかもしれませんが、毎日のように株価に一喜一憂する生活は、心が落ち着きません。しかも、自分で「次はこの銘柄が上がるかもしれない」とさまざまな知識を仕入れて、予測を立てなくてはならないのです。
証券会社で働いていた私でさえ、個人でそこまでするのは難しいだろうと思います。投資は「勝ち負け」の世界で、自分が勝ったら、どこかで誰かが負けています。そして、機関投資家と言われる運用会社などのプロの投資家と同じ土俵で戦わなくてはなりません。それも、日本だけではなく、世界中の投資家が相手です。
それを理解すれば、プロの機関投資家が運用してくれる投資信託のほうが安心できると思うのではないでしょうか。投資のプロではない方々のために、投資のプロはいるのです。そのプロが全力を注いで運営しているのが投資信託です。
私がおすすめするのは、1年間で1億円稼げるといった方法ではありません。それは裏を返せば、次の1年間で1億円失う可能性もある稼ぎ方です。
▽福田猛(資産形成コンサルタント、ファイナンシャルスタンダード代表取締役) 1400億円以上を仲介で預かる日本トップの投資アドバイザー集団、ファイナンシャルスタンダード株式会社を率いる創業社長。大手証券会社を経て、2012年に同社を創業。これまでに6000人以上のお金の悩みをサポートしてきた“お金のお医者さん”。大手金融機関に属さない独立系アドバイザー(IFA)として、ファイナンシャルプランと資産運用で個人投資家の味方になれる存在。楽天証券IFAサミットでトップ10に11年連続で表彰される。「正社員型」のIFAとしていま日本でいちばん信頼されているアドバイザーだが、ひとたび帰宅すれば、家族(愛犬はミニチュアダックス)とウイスキーを愛するいたって庶民的な40代男性。