日本株上昇は違和感だらけ…「失われた30年」に時価総額は2.7倍のこれから
株式市場のTOPIX(旧東証1部)の時価総額は、93年12月末の313兆円から、22年3月末に708兆円。その後、東証プライム市場となり833兆円(23年12月末)となった。経済発展のない「失われた30年」に時価総額は2.7倍となった。
上場企業数(旧東証1部)は、93年末に1234社、2022年4月3日は2176社に増えた。東証プライムの23年末は1657社である。旧東証1部に比べ、プライム市場の企業数は減少したのに、時価総額は増加した。すなわち、一部の企業群の株価だけが上昇し、全体の時価総額を押し上げたようだ。
日経平均株価の上昇要因でもあろう23年の全国百貨店売上高(既存店)は、22年比9.2%増の5兆4211億円とインバウンドを取り込み伸びた。売上高が5兆円台となるのは19年(5兆7547億円)以来。免税売上高は前年比約3倍の3484億円と過去最高だ。かつては中国本土からが約7割を占めたが、23年は約5割に低下した。
中国では1月26日から春節(旧正月)の特別輸送態勢「春運」が始まっている。期間は3月5日までで、中国交通運輸部の李揚副部長は、「春運」期間に移動する人が過去最多の延べ90億人になるとの予測を発表。民間航空旅客輸送数は前年比44.9%増の8000万人を上回るとの見通しも示した。
日本の小売り・外食業界は訪日中国人への期待が大きいはず。こうした業界は2月決算が多く、株主優待も充実している。投資対象として注目したい。