裏金「共謀」巡り深まる新たな謎…安倍派幹部4人が政倫審に出席も、証言に食い違い
「合法的な形で出す」との表現自体が参加者同士で「違法性」の認識があったことをうかがわせる。しかも、議員個人のパーティー収入への還流上乗せは西村事務所の手口だ。政倫審で西村氏は「秘書のやったこと」としつつ計上を認めた。「提案者は西村さんですよね」と迫られると、個人のパーティー券を派閥が購入する代替案が「アイデアのひとつ」として示されたと言及。下村証言と主客転倒し、全く食い違う。
■「共謀」成立を恐れウヤムヤに
さらに、翌23年に再び還流は廃止。当時の事務総長の高木氏は「22年の暮れごろに話し合って決めた」とし、決定の場に塩谷氏、下村氏、世耕氏、松本被告が「いた」という。2度の還流廃止は幹部同士でキッパリ決めたのに、なぜ焦点の22年8月の協議内容だけハッキリしないのか。同席した松本被告との「共謀」の成立を恐れ、ウヤムヤにしているとの疑念は晴れない。
協議に加わらなかった松野氏も、訂正した収支報告書が疑惑まみれ。会合費の支出が20~21年は2件約10万円、4件約38万円と続くのに、22年だけ41件約545万円と突出。同じ日に同じ店への支払いも目立ち、与党の公明議員も「不記載額の収入に支出を合わせるため、領収書をカキ集めたのでは」とサジを投げた。