ダイドーリミテッド(上)物言う株主に抵抗し、総会直前に急きょ経営陣を入れ替え
SCの発表資料によると、取締役候補は元ブルックスブラザーズ最高財務責任者(CFO)の中山俊彦氏、元オンワード樫山社長・会長で現在、業界団体の役員を務める大澤道雄氏。中山氏は社長就任を予定し、ほか5人は社外取締役候補だ。
SCの取締役候補が明らかになるとダイドーの経営陣に衝撃が走った。ブルックスブラザーズ、オンワード樫山はともにダイドーと密接な関係にあったからだ。
衣料ブランド「ブルックスブラザーズ」を国際展開していた米ブルックスブラザーズグループは、20年に米連邦破産法11条の適用を申請し、経営破綻した。そのため、ダイドーとの合弁会社だった日本法人は、ダイドーが出資比率を引き上げて連結子会社に組み入れていた。
オンワード樫山(現・オンワードホールディングス)との関係は深い。両社は04年に資本・業務提携。06年にオンワードからダイドーに社長を派遣。07年にオンワードはダイドーの保有株比率を高めて持ち分法適用会社にした。以来、ダイドーの副社長はオンワード出身者の指定席となった。